価値観が変わる体験を生む好奇心の力

エッセイ

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7.好奇心を高めるイメージ作り

最善・最悪両方のイメージを広げる


 前のページでは、好奇心を高める最初のステップとして、自分の関心事を把握する方法を説明した。このページでは、自分の関心事からイメージを広げる方法を説明する。
 
 自分の関心事からイメージを広げる最初の視点は、その関心事が自分の生活をどう変化させるかだ。前のページでピックアップした関心事に対して、あなたがどんどんアクションを起こして行ったら、最終的に自分がどんな生活を送るようになるのか、具体的に想像してみよう。
 
 例えば、海外への移住に興味があるとしたら、どの国にいつ頃移り住むか、移住先でどんな仕事・活動をするか、どんな家に住むか、誰と住むか、暮らす上での心配事は何かなど、関心事の行き着く先を具体的に想像してみる。
 
 別の例として、持病の生活習慣病が悪化することを心配事として抱えている人であれば、もし病を克服したら5年後に何ができるようになるか、このまま病が悪化し続けたら5年後はどうなるか、良いこと、悪いこと両面で具体的に事態の進展を想像してみる。
 
 このイメージは、あくまであなたの興味・関心を広げるためのものだ。実現性は深く考えず、自分の願望と不安のイメージを、あなたが想像出来る最大限の妄想で、良い方向と悪い方向の両方に広げてみよう。
 
 次に行うことは、あなたが妄想したイメージの中から、スリルを感じられる変動要素を見つけることだ。あなたが感心を持つテーマについて、良いイメージと悪いイメージの両方を想像できていれば、どちらにも共通して現れる、テーマを象徴的する要素があるはずだ。それを意識すべき指標として、抜き出してみる。
 
 例えば、上述の海外移住の場合、何らかのスペシャリストとして海外で活躍するイメージがあれば、その職業独特の地位であったり、収入が1つの指標になるだろう。実際に海外で活動するようになれば、希望する以上の地位や収入が得られるかどうか、期待と不安を感じながら生活することになる。
 
 また、上述の生活習慣病の場合は、何らかの健康指標がそのままスリルを感じる指標になるだろう。症状が改善しつつあるのか、悪化しているのか、その指標を見てドキドキしながら毎日を過ごす状況を想像することができる。
 
 このスリルを感じる指標は、興味を持つテーマを特徴付ける重要なものだ。指標に実際に最善・最悪の値を設定すれば、イメージがより一層具体的になる。指標は1つとは限らない。複数あるのが普通だ。イメージを具体化するために、可能なかぎり、指標を多く見つけて欲しい。
 
 今度、興味を持つテーマに実際にアクションを起こせば、この指標に現れる活動結果と当初のイメージとの具体的な差が意外性を生み、良くも悪くも人を興奮させる。この興奮が好奇心を広げる原動力になる。
 
 そして、この指標は常に、興味を追求する活動の起点となる。この指標で活動結果としての意外性を確認したり、日々の活動の具体的な目標を設定する。さらに、目標を達成する具体的な手段をこの指標を検索キーワードとして探すことになる。
 
 このスリルを感じる指標の重要性については、後のページでさらに詳しく説明する。
 
 これで、好奇心を高めるイメージの準備はできた。あとは実際に作ったイメージを持って行動を開始するだけだ。次のページでは、好奇心を高める活動の進め方について説明する。