人を能動的にする力
個人の生活に対しても、好奇心が持つ影響力は大きい。人は日々の生活の中で、大小様々な選択を積み重ね、人生を作り上げて行く。人生の選択において、好奇心は決定的な役割を果たす。
日々の生活の何度も訪れる選択の場面で、人は、その時点の状況に流されるか、自発的に進む方向を決めるか、どちらかの行動をとる。無論、自分自身で人生を築き上げているという実感を得るために、自発的に進む方向を選択し、行動を起こすことが望ましい。
この自発的な行動を促すのが好奇心である。人は、自分に興味を抱かせるものに向かう場合しか、自発的に行動を起こせない。関心が持てないことを敢えて行う人などいないのだ。従って、好奇心旺盛な人ほど、興味・関心を抱く対象が多く、行動の選択肢も増えることになる。
自分がやりたいことに没頭している好奇心旺盛な人に接すると、よくそこまで能動的に様々な活動をこなせるものだと、そのエネルギーの高さに感心してしまう。また、楽しそうに自分が望む人生を作り上げて行く姿を見て、羨ましく思ってしまう。
一方で、日々の生活の中では、自発的にやりたいことを見つけられず、現状維持を選択してしまうことも多い。このような選択が続くと、同じ行動の繰り返しで生活がマンネリ化してしまう。歳をとり、子供から社会人へと立場が変わってゆくと、マンネリ化は顕著になる。忙しさのせいもあって、日々の行動がどんどんパターン化してゆく。
マンネリ化した状態が続けば続くほど、現状維持を続ける方が安心で、新しいことを行うのが面倒に思えてくる。その一方で、新しい行動を起こせない自分に嫌気がさしてしまう。そして、自分自身で人生を作り上げることへの自信を失ってしまう。
このように、好奇心は生活の活力に大いに影響する。生活のマンネリ化を打破するため、自らの好奇心を高め、興味・関心を広げたいと誰もが願う。しかし、好奇心というものは、意図的に高めようとしても、簡単にコントロールできるものではない。
このサイトは、好奇心の源泉を探り、好奇心を減退させる要因を見つけ、最終的に好奇心を高める方法を見出すことをテーマとする。次のページでは、好奇心の源泉について考える。